【カスハラ対策の義務化】企業がとるべき対策と進め方
近年、顧客からの過剰なクレームや理不尽な要求によって、従業員が大きな精神的負担を抱えるカスタマーハラスメント(カスハラ)が社会問題となっています。
さらに、従業員を守り、健全な職場環境を維持するために企業には具体的な対策を講じることが義務化されました。
今回はカスハラ対策の義務化によって求められる、企業がとるべき対策と進め方について紹介します。
カスハラとは
カスハラとは、顧客からの理不尽な要求や過剰なクレーム、迷惑行為などを指します。
これらの行為が積み重なることで、従業員の就業環境が悪化し、心身に大きな負担を与える原因となります。
カスハラの典型的な例として、長時間にわたる罵倒や脅迫めいた要求、正当な理由のない返品や過度なサービスの要求などがあります。
これらを放置すると、企業にとってもサービス品質や職場環境の悪化にとどまらず、使用者責任を理由に従業員から訴えられるなど法的リスクに発展する可能性があります。
そのため、カスハラは「避けられないもの」として認識したうえで、予防法務の観点からも組織的な対策を講じることが不可欠です。
企業がとるべき対策
カスハラに対して企業が取るべき対策の1つとして、基本方針やマニュアルを策定し、従業員へ明示することが挙げられます。
そのうえで、基本方針を明確に示し、従業員に対して啓発や教育を行い、実際にカスハラを受けた際にどのような行動を取れば良いのかを具体的に浸透させていくことが重要です。
さらに、カスハラに遭った従業員が安心して相談できる環境を整えるとともに、具体的にどこに相談し、どのように報告すればよいかという行動指針を徹底して周知することが大切です。
カスハラが実際に起こった際の進め方
実際にカスハラが発生した場合、まずは事実関係を正確に確認することが必要です。
顧客や従業員からの証言や記録をもとに検討し、自社に過失があれば謝罪や返金など適切に対応します。
一方、過失が認められない場合は、理不尽な要求に応じる必要はありません。
その際は従業員を1人で対応させず、複数名あるいは組織として対応することが重要です。
さらに、同様の問題が繰り返されないよう、対応手順や教育体制を定期的に見直し、継続的に改善していくことが再発防止につながります。
まとめ
今回はカスハラ対策の義務化によって求められる、企業がとるべき対策と進め方について紹介しました。
カスハラに対応しないと、従業員の離職や労務トラブルに発展しかねません。
従業員を守る体制づくりのためにも、弁護士への相談を検討してみてください。
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