離婚時に父親が親権を取れるケースとは
親権とは、未成年の子に対して父母が有する「身上監護権」と「財産管理権」といった2つの権利義務を指します。
親権は、婚姻中は父母が共同して行使しますが、離婚をする際には基本的にどちらか片方の親が単独で親権を行使することになります。
現在、離婚時の親権獲得は母親が優位とされています。
その理由としては、乳幼児をはじめとして子育てには母親の存在が必要不可欠である、母親が中心となって育児をしている場合にはその環境の保持が望ましい、子育ての時間が確保しやすい、といった理由が挙げられます。
しかし、親権をめぐる争いで母親が負けることによって父親が親権を獲得できるケースが存在しています。
こちらでは、父親が親権を獲得する際に必要な要素を3点ご紹介いたします。
1点目は、子どもの側に「父親と暮らしたい」といった意思が存在していることです。
親権は子の利益を守るために存在していることから、子どもの意思が存在していれば親権を
獲得できる可能性は高まります。
なお、子どもの意思を尊重する際には、その子どもの年齢も重視されます。
10歳未満の子どもである場合には判断能力が不十分とみなされ、意思を尊重する必要性はさほどございませんが、それ以上の年齢になればある程度その意思が尊重されることになります。
2点目は、子育てに関わった実績があり、離婚後も継続的な関与ができることです。
親の一方的な都合で子どもの生活環境を変化させることは望ましくないため、中心的な役割を果たしている親の親権獲得が理想的です。
父親であっても、おむつ替えや寝かしつけ、行事の参加、幼稚園・保育園の送迎といった形で積極的に子育てに関与した実績が存在していれば、親権を獲得する際に考慮される重要なポイントとなるのです。
3点目は、離婚後に子育ての環境を整えられることです。
離婚後は基本的に単独で親権を行使することから、子育てをする際の環境を整備しなければなりません。
具体的には、親との同居や、保育園・幼稚園や小学校の終了後に子どもを預ける環境の整備といったように、第三者からサポートを獲得できる環境を整えることが望ましいです。
また、子育てをする際の費用を賄う経済力や、心身の健康状態の確保も子育ての環境を整えるうえでは必要な要素となります。
なお、離婚時に親権を獲得できない場合も存在します。
そのようなケースでは、面会交流を取り決めることによって交流の機会を確保する、将来的に親権者変更を目指す、といった方法で子どもとの関わりを維持していくことになります。
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