親権と監護権の違いとは
「離婚を検討しているが、どちらが子どもの親権者となるかで意見が対立している。どう解決すればよいだろうか。」
「親権のほかに監護権というものもあると聞いたが、いったいどのような違いがあるのだろうか。」
離婚を検討されている方のなかには、子どもの親権についてこのようなお悩みをお持ちの方が多くいらっしゃいます。
このページでは、離婚にまつわる数多くのキーワードのなかから、親権と監護権についてスポットライトをあてて、くわしくご説明してまいります。
■親権とは
親権について、親が子どもと暮らすための権利であると誤解されている方がいらっしゃいます。
親権は、親が子どものために行使できる権利のことをさします。
子どもはまだ法的には十分に自分で考え行動する権利がないと考えられており、親権者が、子ども自身を守るために親権を行使するのです。
具体的な例としては、子どもが分割払いの携帯電話を購入する際に、親の同意書が必要となるケースなどが挙げられます。これも、一つの親権行使なのです。
■親権者について
親権は、夫婦が婚姻関係にある間は、共同で行使されます(民法第818条3項)。
父親か母親かは関係なく、両親として子どもを養い育てていくため、共同で親権が行使されていることは、分かりやすいかもしれません。
一方で、夫婦が離婚する際には、子ども一人につき一人の親権者を定めなければなりません(民法第819条)。
親権者でないからといって親ではないということにはなりませんが、子どもの世話ができないという意味では、多くの方が親権者となることを望むのも当然といえます。
■親権と監護権
親権は、大きく2つの権利に分けて考えることができます。
1つ目は、身上監護権です。
身上監護権とは、子どもの身の回りの世話をする権利のことをさします。
悪いことをした子どもを叱ったり、住む場所を決めたりすることが、身上監護権には含まれています。
2つ目は、財産管権です。
財産管理権とは、文字通り子どもの財産を管理する権利のことをさします。
子どもの財産を適切に管理し、子どもが契約をする際の代理人となったりします。
親権には、身上監護権と財産管理権が含まれていますが、場合によっては、これらを分けて考える必要があります。
たとえば、子どもがいる夫婦が離婚に向けて別居中の場合、子どもと暮らしている側の親に身上監護権がありますが、もう一方の親権も有効です。
前述のとおり、離婚の際には子どもの親権者を一人に定める必要がありますが、子どもにとって環境の変化は大きなストレスであると考えられているため、どちらが監護権者であるかも重要となっています。
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